成瀬清

2007年に開始された第2期バイオリソースプロジェクトも4年目を迎え、来年度は最終年となる。今年度は第3期への準備期間ともいえよう。第2期メダカバイオリソースプロジェクト(NBRP Medaka)では、第1期で整備されたさまざまな特性を持つメダカ系統(ライブリソース:近交系、突然変異体、遺伝子導入系統、野生集団、近縁種)に加え、cDNA クローン、ゲノムクローン(BAC/Fosmid: 36kbp〜200kbp程度のゲノムDNA断片を含んだクローン)、孵化酵素など個別の研究に直結するリソースを統合的に提供することで、メダカを用いた生物学・基礎医学研究を発展させることを目指してきた。幸いこの方向性は、多くの研究者に支持され、現在では、年間150件あまりのリソース提供を行っている。この総説では、現在のNBRP medaka(図1)から提供できるリソースの紹介と、利用法を概説するとともに、メダカを用いた研究の方向性と、そのために今後整備していかなければならないリソースの種類などについてもお話したい。