《日本人ときのこ》 Part.2 : 冬から春にかけての野生きのこ

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吹春俊光

私は博物館に勤務しているが、秋の時期はほぼ毎日のように、多種多様なきのこを持って食毒をたずねる来館者がやってくる。晩秋に向かい、持ち込まれる数が次第に少なくなると、いわゆるきのこの季節も終わりを告げる。私はきのこによって、季節の移り変わりを知ることができている。

しかし、実は冬の時期にもきのこは発生している。たとえばヒラタケ(図1)とエノキタケ(図2)は、ともに人工栽培が行われ市販もされている種類だが、栽培品とはかなり異なった姿形で、公園や道路沿いなどの身近なところにひっそりと姿をみせるようになる。また、冬枯れの海岸という、一風変わった場所でも冬のきのこをみることができる。

そして次第に暖かくなると、春のきのこの季節を迎えることになる。桜の季節にもしっかりきのこは発生するのである。

それでは、いくつかの例を挙げながら、冬から春にかけて発生するきのこの世界をみていきたい。