発がんとエピジェネティクス ―新たにわかったがんの原因とその治療の可能性―

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服部奈緒子,牛島俊和

「がんは遺伝子の病気」といわれ、その原因が遺伝子異常であることがわかっている。これまで、遺伝子暗号自体を破壊してしまう「突然変異」や、遺伝子自体がなくなってしまう「染色体欠失」といった遺伝子の異常が重要であると信じられてきたが、近年、遺伝子暗号やその存在自体に異常がなくても、遺伝子異常が起こることがわかってきた。それが「エピジェネティック異常」である。この異常が起こるしくみが解明されれば、その性質を利用した新しいがんの診断や治療が可能になると期待できる。