胎児期・新生児期の化学物質曝露と発達への影響

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大竹貴光,許許暁彬,加藤進昌

近年、注意欠陥/ 多動性障害(AD/HD)や学習障害(LD)、高機能自閉症など、発達障害への社会的な関心が高まっている。2002年の文部科学省の「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する全国実態調査」によると、AD/HDや高機能自閉症に見られる行動面の困難を顕著に示す子どもが2.9%、LDに見られるような学習面の困難を顕著に示す子どもが4.5%、学習面か行動面で困難を示す子どもが全体で6.3% と、無視できない数値であることがわかる。このような現状から、神経発達障害の原因解明が重要な課題となっている。原因には遺伝要因、環境要因、身体要因が複雑に関連していると推測されるが、はっきりとした病因は未だに不明である。こうした状況の中、原因の1つとして化学物質の関与が示唆されるようになり、最近ではとくに化学物質に対して感受性が高いといわれる、胎児期・新生児期における化学物質曝露の影響が懸念されている。

本稿では化学物質として、ポリ塩化ビフェニル(PCB)とビスフェノールA(BPA)を例に挙げ、化学物質の胎児期・新生児期曝露と神経発達への影響に関する最近の研究について報告する。