ヒトと動物の共生へ : 第9回　変わりゆく21世紀の動物園　よこはま動物園(ズーラシア)の取り組み

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松本令以

「動物園」と聞いて、皆さんはどのようなイメージを思い描くだろうか。休日の家族サービスの場所、動物とのふれあい、世界中から集められた人気動物たち…。レクリエーション施設としての側面だけがクローズアップされがちだが、動物園は他にも重要な社会的役割を担っている。希少動物の繁殖、環境教育、野生動物に関する調査研究など、これらの活動を通して「ヒトと動物が共に暮らせる社会を創りあげていくこと」が動物園の目指す最終的な目標なのだ。

横浜市立よこはま動物園(ズーラシア)は1999年4月に横浜市旭区に開園し、再来年には開園10周年を迎える。国内で初めて「生息環境展示」という展示手法を全園的に取り入れて建設され、絶滅の危機に瀕した希少動物を数多く飼育展示している。メインテーマは「生命の共生・自然との調和」。ここでは、ズーラシアが取り組んでいる活動を例としてあげながら、動物園の社会的役割について紹介していく。