鳥インフルエンザウイルスの脅威

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大槻公一

1980年頃までインフルエンザは、人、あるいは豚、馬のような一部の哺乳類及び各種鳥類だけの感染病と考えられてきた。しかし、現在では、インフルエンザウイルスは様々な種類の哺乳類、たとえばアザラシなどの海獣類、クジラ、あるいはフェレット、ミンク等の北方系の肉食哺乳類などにも、インフルエンザウイルスは感染して発病することが分っている。

ちなみに、今、競走馬における馬インフルエンザの流行がJRA関連施設を中心に発生し、話題になっているが、本病は馬インフルエンザウイルス感染によって起る馬の急性呼吸器病である。このウイルスがヒトあるいは鳥類に感染する可能性は極めて低い。馬インフルエンザウイルスの伝搬は、飛沫感染によって起り、急速に拡散する。臨床症状は39〜40℃の発熱を伴う強い呼吸器症状が特徴である。今回の馬インフルエンザは馬2型と呼ばれるもので、H3N8亜型ウイルスが原因ウイルスである。このウイルスは国外から侵入したと考えられるが、国内のすべての競走馬はすでにワクチン接種を受けているため、抗原性に変異を起こしている可能性がある。