生活習慣病になりやすい遺伝体質に迫る ─山形大学グローバルCOEプログラム「分子疫学の国際教育研究ネットワークの構築」

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須栗眞

山形大学医学部では、真に患者のための医療を目標に掲げ、山形県内医療機関のネットワークである蔵王協議会を通じて地域医療と大学の連携をはかり、地域医療体制整備に尽力してきた。一方で、学部創設間もないころから医学部のスタッフが直接県下の市町に赴き、地域住民を対象に健康診断を実施する過程で早々と疫学調査を開始した。
その歴史は、新世紀に入り、「ヒトゲノム計画」の成果を取り入れた新しい学問領域「分子疫学研究」へと受け継がれ、現在、がんや生活習慣病などのさまざまな病気の発症や進行
と体質との関連を明らかにすることで、その人その人の体質に合わせた医療(オーダーメイド医療)を実現するための研究に学部をあげて取り組んでいる。「未来の山形の医療のために」を合言葉に、県民20万人の参加をも視野に入れ、日夜、精力的に研究・事業を推進している。2011(平成23)年10月31日、昨年から始まった山形市健診、今年から始まった酒田市健診の研究協力同意カウントを加えて、山形広域ゲノムコホートのベースライン調査新規リクルート数は8,137人に達した。