エコチル調査

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藤原武男

これまで小児の疾病の中心的課題であった感染症がコントロールされるようになり、新たに、非感染症の疾患である肥満やアレルギーの問題、発達障害等が注目されるようになってきた。これらの疾患群はここ数年という単位で増加傾向にあり、こうした急激な増加を遺伝的要因のみで説明することは難しい。つまり数年、あるいは数十年において蓄積された環境要因が、小児の肥満やアレルギー、発達障害などの増加と関連している可能性がある。現に、戦後の数十年において、8万5000以上の合成化学物質が商業用に登録され、うち2800種類は年に100万ポンド、つまり45万トン以上も生産されている。
 また、女性の思春期におけるダイエット(やせ)志向が妊娠期、そして生まれてくる子どもにも影響しているかもしれない。こうした環境の変化が、近年の小児の疾患増加と関連していると考えるのは妥当な推論である。 
 では、こうした環境要因は、どのように子どもに影響しているのだろうか? 「子どもは小さな大人ではない」といわれるように、胎児を含めた子どもにとって、環境の影響は大人への影響とは異なるものであると考えられる。そうしたエコチル調査の科学的背景についてまとめた。