蜘蛛の糸のふしぎ ―クモから学ぶ安全と信頼―

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大崎茂芳

夏、イエオニグモが夕方の駅のホームで、コガネグモが眠気の覚めやらぬ早朝の庭で巣を張っているところを目撃すると、時間の経つのも忘れてしまう(図1)。クモは、糸という機能的な道具を上手く使って巣に飛来した獲物を捕獲する(図2)。また、危機が迫ると細い命綱を使って巣からすばやく逃げる。そのようなクモの行動を見ていると、「なぜ細い糸が切れないのか」「クモの糸は芥川龍之介の小説『蜘蛛の糸』にあるように本当に強いの?」「クモは細い糸のどこを信頼しているの?」等々、不思議に思うことがしばしばある。

気味が悪いという印象を持たれるクモではあるが、糸の神秘的なしくみには驚かされることが多い。本稿では、クモの糸の不思議な世界に足を踏み入れることにしたい。