においと脳のメカニズム

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外池光雄

においは、私たちの生活において大変重要な役割を担っている。例えば、においによって食べ物が腐っていないかどうかを判断したり、焦げくさいにおいがする時には、火事の危険を察知することができる。

さらに、われわれの食生活においても、においは欠かすことができない。食事の時に味覚が重要なことはいうまでもないが、じつはわれわれが味覚と思っている以上に、においが大きく影響していることが知られている。実際、鼻をつまんで食事をしてみると、味気のない食事になることはよく経験することである。

一方、動物にとって、においは生存に関わるもの、生命の維持に必須のものとなっている。人間もサルから進化した動物であることを考えると、その本質は動物と変わらないと思われるが、従来、人間にとって嗅覚は他の感覚に比べ補填的な感覚、装飾的で2次的感覚として扱われてきたようだ。

しかし、最近になって「においには、従来考えられていなかった新たな役割があるのではないか」と仮定できる、いくつかの事実が明らかとなってきた。