イルカ類の鳴音とコミュニケーション

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森阪匡通

多くのハクジラ類(ここではイルカと総称する)は群れで生活する。これまでの様々な研究により、イルカの群れは実に複雑な「社会」を築いていることがわかってきた。たとえば、オーストラリアのシャーク湾のミナミハンドウイルカ[Tursiopsaduncus]は、質の異なる複数の社会構造(入れ子状になっているオスの同盟関係)を1つの個体群内に持つことが知られており、こうした例はヒト以外の動物では知られていない。

私たち人間は、良好な人間関係を築いてそれを維持するために、会い、おしゃべりし、メールで連絡をとり、時には酒を酌み交わす。それでは複雑な社会関係を築いて、またそれを維持していくために、イルカたちはどのようなことを行っているのか。そもそも、イルカの個体間コミュニケーションとはどんなものだろうか。ここでは私とその共同研究者らがこれまで行ってきた研究をご紹介しながら、イルカのコミュニケーションについて考えていきたい。