「うま味」物質でメタボリックシンドローム、肥満症を抑える ―脳内での栄養素の情報処理のしくみから探る「うま味」物質の効果と秘めた可能性―

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釣木澤朋和,鳥居邦夫

代謝性症候群(メタボリックシンドローム)、肥満症、糖尿病が現在、問題となっている。これらは、過食などにより、体内に必要とする量以上の栄養素が取り込まれたことが原因である。摂りすぎた栄養素は酸化して、体熱として放散することで、身体の状態を常に同じに保ち、健康の維持につながる。そのためには、体の欲求に見合う栄養素摂取の収支(バランス)をとることが大切であることは自明であるが、それを徹底することは、以下で紹介する理由から極めて困難なのである。

本稿では、まず、メタボリックシンドローム、肥満症が起きるしくみを紹介し、続いて、摂食、消化吸収、代謝する各過程で、脳に味覚や消化器系臓器からの「内臓感覚」がどのように入力され、どのように代謝調節による体熱産生が増大し、肥満症の抑制につながるのか、そして、そこで「うま味」物質はどのような役割を持つかについて我々が行っている研究の最近の成果を紹介する。