新型インフルエンザの疫学

加算ポイント:3pt

商品コード: adma0284

¥ 315 税込

関連カテゴリ

  1. 生命科学

商品について

玉記雷太,神垣太郎,押谷仁

新型インフルエンザA(H1N1)の感染拡大が続いている。2009年6月11日に世界保健機関(WHO)が警戒レベルを最高のフェーズ6に引き上げ、世界的大流行(パンデミック)を宣言して以来、2009年9月27日現在、191の国や地域から34万を超える新型インフルエンザA(H1N1)の確定例と、4,100例を超える死亡例がWHOに報告されている(図1)。

しかし、多くの国が感染者の全数把握を止めているため、報告数は氷山の一角であり、実際の感染者数を反映していない。日本でも沖縄で大規模な感染拡大があり、重症者・死亡者が各地で確認されるようになってきている。これは、地域での感染が拡大するにつれて、ハイリスクグループが感染するようになってきたことが最大の理由であると考えられる。図2に示すように、南半球ではインフルエンザの伝播は多くがベースラインに戻っているか、減少傾向が継続しているのに対して、北半球はこれからインフルエンザシーズンを迎え、大規模な感染の拡大が考えられるため、今後は重症例がさらに増えてくる可能性があり、いかにしてその被害を最小限に抑えるかが今後の最大の課題になる。本稿においては、季節性インフルエンザと対比させながら、新型インフルエンザの発生メカニズムを概説し、流行の現状を疫学的にレビューする。