女性研究者を支援する取り組み : 第1回 我が国における女性研究者支援の取り組みと現状

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川端和明

我が国の科学技術政策と人材育成施策

男女共同参画の推進は国の課題であり、科学技術分野においても相当な取り組みが必要とされている。

平成7(1995)年に、我が国の科学技術政策の基本的な枠組みである、科学技術基本法が制定された。この法に基づき、5年ごとに科学技術基本計画が策定されている。第1期科学技術基本計画(平成8〜12年度)、第2期科学技術基本計画(平成13〜17年度)では、それぞれ17兆円、24兆円の投入目標が設定され、第1期には「ポスドク1万人計画」、第2期には重点四分野(ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料)が決められ、「50年間にノーベル賞30人計画」が出された。

平成18(2006)年度からは、第3期科学技術基本計画が総額25兆円の規模で、「人材育成」と「イノベーション」をキーワードとして開始された。なかでも、科学技術システム改革を推進するために、若手、女性、外国人の人材育成・活躍促進を中心にさまざまな事業が推進されている。総額25兆円は、GDP比1%を念頭において計算されたもので、科学技術に充当することが国策となっている。また、文部省と科学技術庁が統合して文部科学省になったことにより、自然科学系の人材育成について、義務教育からトップレベルの研究者まで一貫して取り組むことができるようにもなった(図1)