someone - Biophilia 連動企画 : 陸上植物の祖先「シャジクモ藻類」の進化学―水中から陸上へのストーリー―

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商品コード: adma0259

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坂山英俊,西山智明,関本弘之,伊藤元己

私たちが普段目にする身近な植物といえば、きれいな花を咲かせる被子植物を思い浮かべる。また、日陰を見るとシダ植物やコケ植物が生えていたりする。このように、陸地を見渡せば多様な植物が生えている。一方、湖面をのぞき込めば陸上とはまったく違う植生を見ることができる。湖底には背が高く葉を広げた大型の植物も生えているが、その周辺にはゆらゆらとした糸状の藻類が繁茂している。水中には浮遊する小さな藻類が繁殖している。岩や空き缶があればその表面にも無数の藻類が付着している。私たちの目に触れることは普通まれであるが、このような藻類たちが水中では主役である。そして、その中に約5 億年昔に水中から乾燥した陸地へ進出し、陸上植物へと進化した藻類がいる。これまでの研究の結果では、シャジクモ藻類のシャジクモ類(図1)とコレオケーテ類(図2)が陸上植物に最も近縁だと考えられている(図3)。

それでは、いったいいつどのようにしてシャジクモ藻類から最初の陸上植物が進化したのだろうか? 本稿では、シャジクモ藻類から陸上植物への進化を、「体制」と「生活環」に焦点を絞って紹介する。