NBRP紹介 : カイコ ―日本発信のリソースとしての魅力―

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伴野豊

日本では養蚕業が広く行われてきた歴史があり、多様なカイコの品種や系統が国内に存在する。品種とは養蚕目的に世界各地で独自に育種された在来種やそれらを基に育種により改良されたものを、また、系統とは品種や交雑過程で発見された突然変異体(ミュータント)を維持するために作成された品種に準ずるものと捉えることが妥当と思われるが、明確な区別は難しい。

さて、大半の方はカイコといえばシルク製品を連想するであろう(図1)。もちろん、それも正解であるが、実はそのほかにカイコには知られていない魅力的な利用法がたくさんある。しかし、養蚕業が衰退し、カイコの実物を見たことがない世代も増えている。図2 にカイコの一般的な発育の様子を示した。本稿では、カイコを知らない方にもわかりやすく、その魅力とナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)・カイコについて紹介したい。