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村江達士 本連載第2回で、化学進化に関する実験的アプローチについて述べたが、原始地球の環境と類似の環境は他の惑星の過去にもあった可能性は大である。そこでは類似の化学進化が起こり、ひょっとして生命の起源につながったかもしれない。 「地球外に生物はいるのか?」ということは、地球上の生命の起源と関連して人類が興味を抱き続けている謎である。宇宙探査機が現実のものとなるまでは、地球外物質に関する研究は天空から飛来する隕石に依存していた。現在でも隕石の研究が地球外物質の研究の中心をなしている。日本は国土が狭いためもあって、隕石を入手する機会は非常に少なかった。しかし、日本の南極観測隊が南極のヤマト山脈で隕石が集積している場所を発見し、それ以後、日本は世界に先駆けて南極における隕石収集を積極的に推し進め、今や日本は世界最大の隕石保有国となっている。また、2003年5月には、鹿児島県内之浦のロケット発射基地から小惑星探査衛星「はやぶさ」が発射され、2005年11月に目標の小惑星「いとかわ」に到達した。この衛星には、小惑星表面から試料を採取してもち帰る装置が搭載されている(図1)。地上に送られてきたデータからは、試料採取に成功したか否かは結論できないが、「はやぶさ」は2010年の地球帰還を目指して現在帰路を飛行中である。この計画は、月の試料以外では、世界で最初の惑星試料の持ち帰りとなるはずであったが、実施の遅れと着地のトラブルのため、アメリカの探査機による彗星試料のもち帰りに先を越された。本稿では、隕石の研究や惑星探査が地球外生命の存否の議論や化学進化の議論とどのように関連しているかを概観する。
村江達士
本連載第2回で、化学進化に関する実験的アプローチについて述べたが、原始地球の環境と類似の環境は他の惑星の過去にもあった可能性は大である。そこでは類似の化学進化が起こり、ひょっとして生命の起源につながったかもしれない。
「地球外に生物はいるのか?」ということは、地球上の生命の起源と関連して人類が興味を抱き続けている謎である。宇宙探査機が現実のものとなるまでは、地球外物質に関する研究は天空から飛来する隕石に依存していた。現在でも隕石の研究が地球外物質の研究の中心をなしている。日本は国土が狭いためもあって、隕石を入手する機会は非常に少なかった。しかし、日本の南極観測隊が南極のヤマト山脈で隕石が集積している場所を発見し、それ以後、日本は世界に先駆けて南極における隕石収集を積極的に推し進め、今や日本は世界最大の隕石保有国となっている。また、2003年5月には、鹿児島県内之浦のロケット発射基地から小惑星探査衛星「はやぶさ」が発射され、2005年11月に目標の小惑星「いとかわ」に到達した。この衛星には、小惑星表面から試料を採取してもち帰る装置が搭載されている(図1)。地上に送られてきたデータからは、試料採取に成功したか否かは結論できないが、「はやぶさ」は2010年の地球帰還を目指して現在帰路を飛行中である。この計画は、月の試料以外では、世界で最初の惑星試料の持ち帰りとなるはずであったが、実施の遅れと着地のトラブルのため、アメリカの探査機による彗星試料のもち帰りに先を越された。本稿では、隕石の研究や惑星探査が地球外生命の存否の議論や化学進化の議論とどのように関連しているかを概観する。