someone - Biophilia 連動企画 : 環境の変化が引き起こすミジンコの変化 ― 水環境の変化により赤くなるミジンコ―

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商品コード: adma0181

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時下進一


オオミジンコは甲殻亜門、枝角亜目、ミジンコ科に属する淡水産の動物プランクトンである。ミジンコ類は世界の湖沼に広く生息し、淡水系の食物連鎖において一次生産者である植物プランクトンと魚や大型水生昆虫の幼虫などの間に位置する重要な生物群である。とくに、大型のミジンコは、大型の植物プランクトンの捕食効率がよいことから、湖沼の富栄養化を防ぐうえで重要な働きをしている。

また、ミジンコ類の特徴はそのライフサイクルにもある。ミジンコは、餌も酸素も十分にあり日照時間も長いと、雌が雌のみを生む単為生殖を行い急激に個体数が増える。しかし、個体数が増えて餌や酸素の量が減少したり日照時間が短くなったりすると少数の雄を生み、雌と有性生殖して耐久卵を作る(図1)。この耐久卵は乾燥や紫外線などに耐性を持ち湖沼の環境がミジンコにとって適した状態になるとその一部が卵からミジンコになる(すべて雌のミジンコ)。

また、ミジンコ類は水環境の変化に敏感でさまざまな形態的、生理的な応答も示す。このような環境変化への応答の中には、季節変化に伴う頭部の長さの変化、フサカや魚などの捕食者の出すカイロモンという化学物質に応答した形態の変化、水中の酸素量(溶存酸素量)の減少による体色の赤化などがある。これらの性質は、ミジンコが環境の悪化や捕食者から逃れその種を存続させることと関連があり重要なものである。これらは古くから多くの研究者の関心を集め、生態学、集団遺伝学、環境毒性学の研究対象として現在も数多くの研究がなされている。また、農薬や殺虫剤に含まれる化学物質に対する毒性試験などの応用研究も多くなされている。