特別企画 鼎談 : こんな生徒が医学部を目指してほしい ―日本の医療の未来のために

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  1. 生命科学

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井村裕夫,吉田則彦,小林英司

昨今、わが国の小中高校生の「理科離れ」は深刻さを増しているといわれている。その中で、とくに生命現象に興味をもたない子どもたちが増えているように思える。その一方で、医学部受験は常に熾烈な争いとなっている。医学部は、生命現象を科学的に教育する場でもあるが、入学してくる生徒のうち、生命現象に興味があるという理由で志望した者は年々減り、社会的、経済的理由で医学部に進学してくる者が増えてきていると感じている。この現象は、現代の医療のさまざまな問題にも直結している。多くの医師は臨床研修後、知識や技術の取得に多くの時間を費やさねばならず、創造性に満ちた医科学に挑戦するチャンスが少なくならざるを得ないという現状がある。昨今、革命的な医療を生み出す概念として、トランスレーショナル・リサーチが提唱されているが、トランスレーショナル・リサーチ推進のためには、種々の分野で発展する生命科学を柔軟に取り込み、患者への応用を考える人材育成が急務とされている。

このような問題解決のためには、将来の医師、医学研究者を育てる場である学校教育の改革、充実が不可欠だと考える。そこで、それぞれ違った立場で教育に携わられている井村裕夫先生、吉田則彦先生に、学校教育の現状、現在行っている取り組み、また、未来へ向けどのような方向を探るべきか、それぞれの立場からご意見を交わしていただきたいと思う。