NBRP紹介 : ラット―ヒトのモデルとしての活用―

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芹川忠夫

ラットは、マウスと同様に遺伝と環境の両面を厳格にコントロールした条件下で実験をデザインすることができる。また、必要な数を容易に準備することができ、生体試料の採取や観察あるいは実験処置がしやすい適当な大きさである。実際に、医学、薬学、生物学、栄養学、心理学、遺伝学などの研究分野において、ラットは古くから活用されてきた。私たちは1992 年に最初のラット遺伝子地図を作成したが、2004年にはラットの全ゲノム解読プロジェクトにおけるドラフトシークエンスが公表されるに至った。今、ラットの完全なゲノム配列を得ること、複数のラット系統の配列を得ることに加えて、実験生物として有用な多くのラット系統の収集・保存・提供体制の構築と新規の疾患モデルラットの開発が重点な課題であると指摘されている3)。本稿では、500 系統を超える世界最大規模のラット系統を保有して、大きな担い手となっている我が国のNBRP-Ratプロジェクトを紹介する。本プロジェクトを補完するプロジェクトとして、本稿の末尾に、私たちが別途に行っているエチルニトロソウレア(ENU)誘発突然変異ラットプロジェクトについても併せて紹介する。