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萩森健二 日本人の2〜3人に1人が、がんを発症しているという。背景には高齢化がある。犬や猫も最近は長生きするようになった。室内飼いに徹する家庭が増え、感染性の病気にかかりにくくなったことや、ペットフードの普及で栄養バランスがよくなったことなどがプラス効果を生んだようだ。比較的寿命の短い大型犬、例えばゴールデン・レトリバーなどでも14、15歳の老犬はざらにいる。猫などは20歳を超す“ご長寿”も珍しくない。 ところが長寿化にともなって、犬や猫もやはり、がんの罹患率が高くなってしまった。心臓病、腎臓病、関節疾患など6歳を超えたシニア期の犬や猫がかかりやすい病気の中でも、がんは圧倒的に多い。アメリカの研究では、犬や猫の死因のトップにがんがあげられ、犬の場合は約2頭に1頭、猫の場合は約3 頭に1頭が、がんで死亡するといわれている(表1)。では、“わが子”をがんで苦しめないために、飼い主はどうしたらよいのだろう。今回は、がんをテーマに話を進めていきたい。
萩森健二
日本人の2〜3人に1人が、がんを発症しているという。背景には高齢化がある。犬や猫も最近は長生きするようになった。室内飼いに徹する家庭が増え、感染性の病気にかかりにくくなったことや、ペットフードの普及で栄養バランスがよくなったことなどがプラス効果を生んだようだ。比較的寿命の短い大型犬、例えばゴールデン・レトリバーなどでも14、15歳の老犬はざらにいる。猫などは20歳を超す“ご長寿”も珍しくない。 ところが長寿化にともなって、犬や猫もやはり、がんの罹患率が高くなってしまった。心臓病、腎臓病、関節疾患など6歳を超えたシニア期の犬や猫がかかりやすい病気の中でも、がんは圧倒的に多い。アメリカの研究では、犬や猫の死因のトップにがんがあげられ、犬の場合は約2頭に1頭、猫の場合は約3 頭に1頭が、がんで死亡するといわれている(表1)。では、“わが子”をがんで苦しめないために、飼い主はどうしたらよいのだろう。今回は、がんをテーマに話を進めていきたい。